田舎暮らしランキング

森に暮らして
「田舎暮らし」「住みたい田舎」ベストランキング 2022年版でました

宝島社の月刊「田舎暮らしの本」買ってみました

宝島社の月刊「田舎暮らしの本」で毎年おこなっているランキング『「住みたい田舎」ベストランキング』について、個人的な見解の記事を書いてみました。
 なお、今回購入したのは2022年版で第10回のベストランキングです。
今までとかなり集計方法、ランキングの出し方が変更となっていました。

 なお、昨年(2021/11)の記事でもご紹介したように、北杜市は2018年のこの雑誌のランキングで移住したいまちの「小さいまち総合部門」で全国1位でした(→「北杜市って移住が人気?」をご覧ください。集計方法が今とはかなり異なっていました)

あれっ? ちょっと違うぞ・・

 これについては、今回実際に雑誌を買って読んでみると、当初自分が思っていたのとはちょっと違った内容でした。

 以前目にしたときは、キャッチコピーやタイトルが目を引いて、それだけで判断していました。
「移住先ランキング」とか若者が住みたい町、とか子育て世代に人気、とあり、アンケートで集計などともありました。
そのため、移住者や移住希望者にアンケートを取って回収してそれを集計したと勝手に思っていました
が、実際は全く違いました。真逆でした。

 全国の自治体に雑誌編集部から276項目のアンケート依頼を行って、それに応じてくれた市町村の回答内容を点数化集計して自治体の順位付けを行っていたのです。
 編集部作成のアンケートの内容はよく考えられていて、自治体の移住促進の本気度やその実績を測るものとなっていました。

アンケートの内容を出来れば皆様にも読んでいただきたいと画質を落とさずにアップしましたが読めますでしょうか?

アンケート内容を概略抜粋します

各世代共通の基本アンケートです(112項目 一部抜粋)

  • 2021年度(4月から10月末)の移住者数
  •  同 移住者数の対前年比での増減
  •  同 移住相談件数の対前年比の増減
  •  同 人口の社会増(転入者ー転出者がプラス)
  • 移住相談窓口が土日でも開いている
  • 移住支援担当者が4年以上継続して担当
  • 区費やゴミ処理などのルールを移住相談者に知らせてトラブル未然防止に努めている
  • 空き家バンクの物件で成約があった
  • 移住者が入居できる公営住宅がある
  • 移住者向けに、家賃補助や購入補助がある
  • コンビニがある  などなど

子育て世代向けの質問では (80項目)

  • 0〜2歳児の保育料を無償化している
  • 認可保育所がある
  • 保育園、小学校の給食費を無償化している
  • 児童館、学童クラブがある
  • 子ども(小・中・高)の医療費が無料  などなど

 このような項目に、各自治体が回答してくれるのですから、このランキングは、過疎化や人口減に悩む市町村の移住促進への取り組み姿勢の本気度のバロメーターを示しているのかもしれません。

 なのでこの調査でトップと言ってもそれで直ちに「若者の住みたい町のNo1に選ばれました」とかいうのとはちょっと違うんだよな、という思いがしたのは事実です
 移住者や移住希望者がその町を選んだ結果ではないので、より正確に言うなら、

 「若者が住みたいといわれるように頑張っている町のNo1として雑誌に評価されました」あたりでしょうか

 移住者・移住希望者目線での自治体への移住好感度評価ではないのです
 もちろん移住の実績評価として、前年度の移住者数や伸び率、人口の社会増(転入者から転出者数を引いたもの)、移住セミナーの開催実施などもアンケート項目にあって、回答内容によって評価ポイントを付与しているので、あながち誇大広告というわけではないのですが。

 この雑誌「田舎暮らしの本」は読者層として移住希望者をターゲットとしているはずです。
 私は、この読者からの移住先人気ランキングが知りたいとおもいました。
 これは実施が非常に難しいのかもしれませんので、現在の調査方法になっているのでしょう。

(追記)読者アンケートでのランキング

この特集記事の最後に1ページだけの記事があったのを見落とししていました。
私が上に書いていたまさにこの雑誌の愛読者による移住先人気ランキングでした。
ただし残念ながら、県別です。

ありました! 読者からのランキング。 山梨県3位。 しかし・・・

雑誌の最後に、思った通り宝島社あて「愛読者はがき」が綴じ込んでありました。
今月号の内容で面白かった記事はどれですか、とか、雑誌の値段は高いと思うか、とかあなたの趣味は?とか、田舎移住で気になることは? などなどの項目があって、最後に「田舎に移住すれば、どこに住みたいですか?都道府県でお答えください(3つまで)」とあります。

この回答を各年の1月号から12月号を集計したものです。この雑誌ではもう16年目になるそうです。
2006年からの集計結果が載っていますが、常勝長野県に2位がほぼ静岡、山梨が最近がんばって3位のようです。
しかしこの結果を、この雑誌で大きな扱いはされずに、ちょこんと1ページでしか紹介されていないのは何故でしょう。
一番の理由は、回答数が少ないためでしょう(想像です)。調査結果に回答総数がどこにも記載されていないのがその証拠です。統計調査に、nが記載されないのはあり得ません。
何人からの回答があったのか、さらに、1月から12月号までの回答合計なら、重複している人もあるでしょう。ですから正確な集計調査として発表するにはさすがに弱いと編集部でも思っているのでしょう(あくまで想像です)。
残念ながら、おまけで載せている感じです。

では、特集ベストランキングの(市町村)アンケートの集計結果をみてみましょう。

人口規模別と世代別に細かく分類

2022年度版で宝島社のアンケートに応じたのは全国で751市町村でした。
集計の分類も人口規模別にみると、今年から、5段階に細かく分かれました。

①1万人未満      194自治体  55位までがランクインで発表されます
②1万人以上~3万人未満 225    65位 までがランクインで発表されます
3万人以上~5万人   123    55位 までがランクインで発表されます (北杜市はこの分類です)
④5万人以上~20万人  173    48位 までがランクインで発表されます
⑤20万人以上~     36    12位 までがランクインで発表されます
となっています。

さらに部門も年代・世代別に3部門に変更していました。
①若者世代・単身者部門
②子育て世代部門
③シニア世代部門
 の3つです。

したがって、2018年のような「総合部門」というのがなくなったので、どこどこが全国1位というのも無くなりました。
アンケートへの各自治体の回答を点数化して、全部で15に細分化された各カテゴリーの中でのランキングを発表しているのです。

山梨県では、全部で16の自治体(市町村)がアンケートに応じています。
9市(山梨県の全市です)、5町、2村となってます。
その中でランクインしているのは、1万人未満の部で小菅村が若者世代部門で31位です。
次に人口1万以上~3万未満で、都留市が、若者世代で32位、子育て世代の部で34位、シニア世代で20位となりました。

そして北杜市は人口規模3万以上~5万未満の部で、
 若者世代 9位、
 子育て世代 5位、
 シニア世代 10位 という結果でした。

この規模の部門で北杜市は健闘しています。世代別でまあ上位にランクされました。オレンジでマーカーしました。

それ以上の人口規模の部では、山梨県の自治体のランクインはありません。

なお、全国総合部門は無くなりましたが、地域別でのランキングを掲載しています。
我が北杜市の属する「甲信エリア(長野県、山梨県)」では北杜市
 若者世代  3位
 子育て世代 2位
 シニア世代 3位 でした。
3部門の全てで長野県飯田市が1位になっています。

 山梨県には27の市町村がありますがそのうち16の市町村が、雑誌のアンケートに回答していますがランクインしたのはわずか3つで、それ以外の市町村は、ランク外なので低評価なのです。
また、11の町村はこの雑誌のアンケートには応じていません。あまり移住に関心・興味がないのかもしれません。移住を増やすことが、それほど重要な問題とは考えられていないのかもしれません(あくまで想像です)。
山梨県として本気で移住に積極的かどうか、県内の市町村の取り組み姿勢が問われるとも思える数字です。

 こうしてみると、北杜市は2018年の1位というほどではないけど、移住に向けて頑張っているほうと思えます。

以上は、この雑誌のアンケート方法や、集計結果をみて感じた個人的な感想でした。

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