林住ノススメなのです

山小屋の食事の愉しみですはじめに
清里の森・ログハウスでの山小屋生活

<サイト開設にあたって>  (令和3年9月 記)

69歳で田舎暮らしを始めました

 私はサラリーマンを57歳で早期退職してしばらくは社会人大学院の受験勉強や、その失敗後は児童養護施設の非常勤職員として数年働いてぶらぶらしていました。
 小学生の頃、地域のボーイスカウトに入団して以来、現在までその活動を続けています。子どもの頃からハイキングやキャンプといった野外活動の経験から、奥多摩や多摩川といった豊かな自然と親しむ機会を多く持つことが出来ました。

 そのような関係から、漠然と退職後は静かな自然の中で暮したいとの思いは強かったです。会社員時代には自宅の庭は手入れが出来ず落ち葉が山のように堆積したままで、テラスのタイル地は全く見えません。最下層の数年前の落ち葉は腐ってタイルに貼り付いています。

 退職後に時間的なゆとりが出来て、庭の古い梅の木の下でコーヒーでも飲みたいと、大掃除を開始。残念ながら、タイルのカビや汚れはいくら擦っても落ちませんでしたが、猫の額ほどの庭でも、コーヒーやおひとり様ランチ&ビールは何度か愉しむことが出来ました。

 こうしてアウトドアでの生活には強い憧れや親近感を抱いていて、いつか本当に出来たらいいなぁと言う思いはありました。
 しかし、それはまさに夢であって実際には到底実現はしないだろうとは思っていました

別荘は身近なものになりました

 きっかけは、退職後に始めた趣味のテニスサークルでした。
そのメンバーのひとりの先輩が八ヶ岳に別荘をお持ちで、みんなを連れて行ってくれるということになりました。その時の様子は別の機会にご紹介しますが【脚注1】、そこで自分も別荘で暮したいという思いが突然大きく強く燃え上がってしまったのです。
 まさに、人生の転機が訪れたのでした。 

 今までは、別荘とは富裕層だけのものであり、普通の会社員には無縁のものと思っていました
 何千万円ものお金をかけて、ゴールデンウィークと夏の盆休みに、大渋滞の中を別荘に行くなど愚の骨頂であって、自分には到底まともな考えとは思えないのでした。

 残念なことに、このサラリーマン現役時代の考えを退職後もそのまま引きずっていた為、自分の第二の人生設計の中にも、全く別荘の『べ』の字もありませんでした。

 それが、なんと自分にも別荘が急に身近なものに思えて来ました。
 ひと頃とは状況は変わって来て、バブル期に建てられた中古別荘なら今なら1000万円以下で手に入ります【脚注2】。
 サラリーマンの退職金での購入も可能範囲ですし、お釣りで暮らして行けます。
 自宅を処分して移住してしまえば、予算はさらに余裕が出来、老後の暮らしも心配ありません。

 私のような年金生活者でも、別荘を買って自然の中での田舎暮らしが出来そうだと思えたのです。
 今までの自分の考えはまさにひっくり返ったのでした。
 
 もし別荘が手に入れば、そこでの暮しは、ずっと思い描いていた自然の中での豊かなものになるかも知れません。これはひょっとすると夢が現実になるかも知れないぞと大きな希望が湧いてきました。これが3年前、2018年のことでした。

 今までも、何人か知人には別荘を持っている方がいましたが、皆、会社経営者とかで、その話を聞いても他人事で自分には関係のない話として聞き流していましたが、実際に目の当たりにした今回は違いました。
 それからの別荘探しから半移住までの経緯は別の記事でご報告していきたいと思います。【脚注3】

別荘での半移住で、夢のような暮らしが始まりましたが、残された時間は。

 そうしてようやく、憧れの八ヶ岳のふもと、ここ清里の地に別荘を求め林の中のログハウスで暮らし始めたのは2年前、69歳の時です。

引き渡しを受け片付けもやっと終わって暮らせるようになりました。リフォームは不要でした。(2019/10/16) 

 ここには近隣の方々も同世代の方が多く、すでに移住されて定住の方もいらして、いろいろ教えていただけます。こちらは別荘初心者ですので、先輩方のアドバイスはありがたいです。

 幸いまだ足腰は大丈夫で、薪割りもできますが、田舎暮らしゆえ、動けなくなったらおしまいです。健康であり続けることが必要なのです。まだ車の運転もできますが、免許返納も視野に入れて生活設計をしなければなりません。

 もちろん夏だけの別荘利用ではなく、一年を通して暮らしています。厳しい寒さですが、空気が澄んでいてきれいですので、全く風邪をひかなくなりました。八ヶ岳の雪も素敵です。長靴を履いて庭に降り、静まり返った林の中で温かいコーヒーを飲む時は人生の幸せを感じます。これこそMy Lifeです。
 
 ただ、東京にも自宅を残しつつ、今の言葉で二地域居住、デュアルライフというわけです。しかし何年か後には、自宅を引き払っての移住も見据えています。

 さて今の生活、なんの予定も無い静かな田舎暮らしを満喫していますが、この先何年この幸福感を味わえるのかが気がかりです。私の林住期はあと何年なのか?
 別の記事でご紹介していますが、俳優の菅原文太さんは、75歳で引退して、北杜市に移住、無農薬野菜を栽培されていましたが、81歳の時にガンで逝かれました。
 菅原文太さんの移住の記事は以下を参照ください。
 →「北杜市って移住が人気? ー菅原文太氏も移住されていました。

 もし私が10年前、もっと若く元気な時に、別荘に暮らし始めていたら私の第二の人生はどんなものだったのだろうか。うーん、こぼれてしまったミルクを悔やんでもしょうがありません。

 このサイトは、そんな私が、これから定年を迎えようとしている50代、60代の皆様へ、自分の人生の「林住期」は自分で決めていただきたい、後悔しない人生を歩んでいただきたいとの願いから、大自然の中での豊かな暮らしに一歩踏み出すお手伝いが出来ればと思い、いろいろな情報発信をして行きたいと思っています。

 さて、次に私が田舎暮らしを始めるにあたり強く影響を受けた話がありますのでご紹介したいと思います。「林住期(りんじゅうき)」という考え方です
このサイトの命名の由来でもあります。
ご一読いただければ幸いです。

人生の四住期とは

 古代インドの教えに人の一生を25年ずつ、4つに分ける
四住期(しじゅうき)」という考えがあります。

 この世に生まれてより初めの25年間は、学生期(がくしょうき)とよばれ、師のもとで教えを学び、そして25歳から50歳までの25年は家住期(かじゅうき)で、家庭をもち、子を作り一家の大黒柱となる時期です。その3番目、50歳から75歳の期間が「林住期(りんじゅうき)」です。バラモンやヒンドゥーの教えでは森林に隠棲して瞑想、修業をする時期とされています。

 作家の五木寛之氏はその著書「林住期」(2007/2 幻冬舎文庫)で「林住期こそ人生のピークである」と述べています。

林住期こそ

 「林住期」とは、社会人としての務めを終えたあと、すべての人が迎える、もっとも輝かしい「第三の人生」のことである。(まえがきより)

前半の五十年は、世のため人のために働いた。後半こそ人間が真に人間らしく、みずからの生き甲斐を求めて生きる季節なのではないのか。(72頁)

「林住期」

 どうでしょうか。今まで頑張って来た自分を褒めてくれる言葉とお思いになりませんか。

 わたしは年齢的にはもう71歳になったので、林住期はもうあと3年ほどしか残されていません。しかしここ清里の森に来たのは69歳でした。わたしの林住期はそこから始まります。なぜもっと早く来なかったのか、と悔やまれます。

 このサイトにやって来られた訪問者の方にはそのような後悔はしないでいただきたいと思っています。これがこのブログの一番の願いです。

 さて「四住期」の四番目、75歳からの25年間は遊行期(ゆぎょうき)と呼ばれる人生最後のステージです。
 これは一定の住所を持たず、一切の煩悩を捨て、しがらみを切り、世捨て人同然となって乞食遊行するとされていて、昨今アカデミー賞で話題となった「ノマド(nomad・遊牧民)」と似ているようでもあります(私の好きなフランシス・マクドーマンド主演の「ノマドランド」が第93回アカデミー賞3部門(作品賞、監督賞、主演女優賞)受賞しています。特別映像2分49秒はこちら→「映画.com」)。

 しかしとても我々俗人凡人ではその域に達するのは無理そうです。ですから私は75を過ぎても林住期のままでいようと勝手に思っています。「喝ーつ!」、と何処かからお叱りの声が聞こえそうですが、これも自由。

これからが私の林住期

 という事で、私はサラリーマンを早期退職して10年以上ももぞもぞしており、やっと69歳で東京を離れ、ここ八ヶ岳南麓の清里で大自然の雑木林の中に住むことに致しました。

 これで私の林住期が始まりました。遅いスタートでしたが、今が私の人生のピークです。これから25年間ずーっと林に囲まれて修業を重ね、そのまま暮らし、最期を迎えご臨終できれば最高の人生だったと思えます。
 ちなみに我が愛犬ナナもここ清里の森で晩年を過ごし共に暮らした14歳2ヵ月の生涯を終えて天国に旅たちました。今は庭の白樺と栗の木の間で沢のせせらぎを聞きながらやすらかに眠っています。

皆さんの林住期は?

 このサイトにおいでになった皆さんはご自身の林住期をいつだとお考えでしょうか?
 今ではないのですか?
 今は移住に関する情報は巷に溢れていますが、ご自分で納得出来るものを探すのはなかなか難しいのかもしれません。

 私も清里の林の中で晴遊雨読をしつつ、少しでも皆様のお役に立つような内容のブログにしていきたいと、これからもしょぼしょぼする目をこすりながらキーをたたいていきますのでよろしくご愛顧のほどお願いいたします。

  • 八ヶ岳高原大橋より南に富士を望む

【脚注1】先輩の別荘訪問時に受けた衝撃は別記事「物件探し」の中でご紹介しています →「きっかけは先輩の甲斐大泉の別荘
【脚注2】2021/10時点での八ヶ岳周辺の中古別荘価格を調べました →「中古別荘の価格帯」(現在は更新は終了しています。データが新しい「新版」をご覧ください→「(新版)中古別荘の価格帯」)
【脚注3】「別荘への歩み」のカテゴリーの中で、別荘探しのきっかけから、林住の開始までの、2018/5から2019/10までの1年半を5本の記事で順を追ってご紹介しています。
 2018/5 「物件探し」・・・退職後、移住したいと思うようになったきっかけから別荘探し
 2019/4 「いよいよ現地に」・・・地元の不動産屋さんの案内で甲斐大泉のログハウスへ
 2019/6 「林住の旅・清里の森に」・・・ネットに清里の森のログハウスを発見、安い!
 2019/7 「ついに契約へ」・・・2軒を見せてもらい、前に沢が流れている方に決めました
 2019/10「引き渡しを受けました」・・・ついに夢が実現、ただ若干問題もありました

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