木工老人日記 (前編)

森に暮らして
玄関前のウッドデッキの損傷が激しいのです

大規模修繕も終わりひと息ついたし、金もなくなったし、ではいよいよDIYするとしよう。
Todoリストのトップはやはり安全第一、玄関周りのウッドデッキの張り替えだ。

ここからは、また簡便なフォトストーリーで行くとしよう。
我がデジタル日記から画像をピックアップして簡単なコメントを載せて終わりにします。m(_ _)m

玄関前のウッドデッキDIY修理

9月25日 現状は

①階段上が危ない(やばい)

毎日通る場所だけに安全はとっても大切、それなのにだいぶ木も腐ってきて踏むと少し凹む、まじにやばいです
(注:我々じいさんは「やばい」という語は、、、と、愛用の「岩波国語辞典 第二版」をひくと、ガーン、載ってない。えー、そうなんだ1971年の辞書では「やばい」はまだ市民権を得てないんだね。

「あぶない、危険」、とか「あやしい」といった意味でさえ載ってないとは、まして今時の若い子の「とても良い、すごい」なんてほぼほぼ真逆の意味では爺様達は絶対使いません。)

2024/9/25 駐車場からこの階段を6段のぼって右側の玄関に着きます。

上の画像のうちの塗装のはげている大小2枚がやばい状態です。

今回の修理は筆者(林住管理人)がこの森に来て最初に手をつけたウッドデッキ修理の際に、「この部分はまだ大丈夫」と取り替えずに温存しておいた箇所です
当時は最小限のDIY作業であったため、手抜きとか、資材の節約のため後回しにされて、そのままになっていた部分です。
なので当山小屋建立当初からの築25年もののウッドデッキ部分です
腐っても当然と言えば当然なのですがね。

なおこの階段のステップの板は初めから(2021年作)塗装していません、単なる手抜きです。
この階段の修理というか作り替えについては、一度簡単にご報告しているのですが、はて?自分でもどこに書いたかが全くわからない。
調べる方法もない。
『(はじめに)このサイトでは』を見ても出ていません。
なんたることだ。このサイトは!

仕方なくタブレット画面にある🔍マークの検索を使いました
(すいません、この検索機能はPCとタブレットだけで、スマホ画面にはありません。
またこの検索機能はブログ開発キットに初めから用意されているもので、筆者が作ったわけではありません。)
「階段」のキーワードで検索してみると、10本の記事がヒットしました。
その記事の中のどの箇所に検索ワードがあるのかまでは教えてくれません。
また仕方なく、10本の記事を一つ一つ開いて目を通しました。

そしたらなんと「森で介護」にその階段の改修工事の記事があったのです。
テーマとはなんの関係もないですよね。まさかね。
その記事には森に来た当初の朽ち果てていた階段の写真(2019/11/7)と、やっと1年半後の2021年5月8日に作り替えた階段の写真が載っています。今見ても新しい階段はよくできた作品だったな、と思います。
まだご覧になっていない方は一度お立ち寄りください→「森で介護」(クリックで新たな頁を開きます)

短い方の1枚、床板(左側に裏返しに転がっている板)を剥がしてみました。悲惨な状態です。
右の板は交換用の新しい板です、だいぶ前に塗装してあったものです。

玄関前のウッドデッキは玄関ドアから出て左(北側)部分と、右側(南側)部分から構成されております。
共にかなりひどい状態なのです。

②玄関階段の北側はもっとやばい

すでに何枚かの床板が落ちたりしていて、危険なのではがして抜いてあったりしています。
上の写真の玄関前は傷んでいる箇所は2枚ほどですが、ここ北側はその何倍もの規模ですし、床板だけでなくその下で支えている根太(ネタ)が腐っていたのです。
この辺りは3年前には床板がみなひどい状態だったので、軒下の数枚以外は新しい床板に取り替えていました。
下の画像でも長い床板は傷んでいません。
ただ一番外側、手摺りの根元の外縁部の床板は束柱にはめ込まれていたため、当時は交換が難しく手をつけていませんでした。

北のはずれのコーナー

その中でもこの辺がもっともやばい箇所です。
東北の角で日も当たらないし、軒も浅く、雨に濡れっぱなしで乾かない。
自分でさえここに足を踏み入れることは滅多にないです。
その結果、手入れも落ち葉掃除も行き届かずに、ずっと放置されていました。
根太が腐って崩落して、その上に乗せていた床板が支えを失い、短いものは落下したり、長い板は先端が下がったりして危険な状態となりました。

2024/9/25 苔や腐朽菌が発生しています。
一番外側(外縁)の床板は中心部分が腐食が激しいのがわかりますでしょうか。

ここが最初に崩壊したのですが、8月だったか。
当時は屋根の張り替えとその後の南側ウッドデッキのリフォームで気持ちは精一杯。
東側玄関前北側の傷みには目をつぶっていました。
ほとんど人が近づかない場所なので、まあしばらくはいいかと思ってました。
このところ天候も不順で朝は晴れていても夕方や夜には必ず雨が降って湿っています。
1日カラッと晴れた日がありません。
なかなか修理の大工仕事に手がつきません。

そう、これだけのウッドデッキの修理となると、木材の調達と道具の準備も必要です。
丸鋸はもうずいぶんと触ってない、気が重い。
作業スペースの整備も必要。
あのウッドショック以降、ツーバイ材の値段も相当上がっているだろう。
綿半まで行くのも面倒、141号の長野側に割と近くにコメリを見つけたが、木材カットはしてくれないし、トラックの貸し出しもない、配達も長野県内だけ、と全く使えない。

やっと重い腰を持ち上げたのが9月25日。
南側ウッドデッキ3ヶ所の簡易な修理の目鼻がついたので、いよいよやらざるを得なくなりました。
玄関横なので見た目が悪い、ご近所の先輩が目ざとく見つけて、ご指摘(ケチをつけて)いただきました。

北のはずれのウッドデッキを床下から覗いた画像です。
腐って垂れ下がっている根太が状況の悲惨さを物語っています。
根太が抜けてしまったので、それが支えていた短い床板を抜いてありますので空が見えています。
左側に基礎のコンクリ製の束石(つかいし)が見えます。

腐って落ちてしまった根太。まだ落下せずに残っている根太も白くなってます。
これは木材腐朽菌のうち白色腐朽菌が繁殖しているためです。

9月28日 とりあえず開けて調査です

打ち込んである木ネジを抜いて、床板をはがしました。
ネジを抜くのがまたやっかいです。
75mmとか90mmの長い木ネジです(今はホームセンターではコーススレッドという名称で販売されています)。

20年以上前のネジなので錆びついていて、電動ドライバーでうまく抜くことができないのです。
ネジの頭の溝がナメてしまい、ドライバーだけが空回りします。
うまく溝にハマっても、木が腐っているのでネジがきちんと抜ける方向に回転しても、回っているだけで上にせり上がって抜けてこない。
こうなるともうお手上げ。
左側6列目、7列目の床板はそういった理由で、木ネジを抜くことができず、はがせませんでした。
ただこの辺の床板は多少は軒で雨を防げるので、腐食は少しはましな状態です。
この腐食した根太は蟻が巣を作っていてボロボロになっています。
大きな腹が褐色の蟻でした。まさかシロアリじゃあないだろうね。
左側の根太は3年前に補強したものですが、かろうじて塗装のおかげで持ち堪えているような感じが見えます。

さてどこからどう手をつけていいのやら、気が重い。
一応患部を開いてみて対応を考えました(何やら外科医のようでしょう)。

崩壊の原因がわかりました
一番外側の腐った床板を剥がしてみると、幕板の上部もかなり腐食していました。
湿っている状態が長く続いていたのでしょう。ただ下の方はまだしっかりしています。
これはまだ使えます。取り替えません。
稚拙な説明図で誠に申し訳ありませぬ。
床板、幕板は全て2×6材、束石の基礎の上に立っている束柱は85mmの角柱。

調べてみると、幕板(まくいた)は束柱(つかばしら)にガッチリと支えられていました
日本古来の木造軸組工法の要素でもある「切り欠き」を束柱に入れてそこに幕板を乗せて支えていました。
ですから幕板は単なる目隠しではなく重要な構造材だったのです。
建物側から伸びている根太は、その幕板にビス(木ネジ)で固定されています。
外縁部以外の床板は、みなその根太の上に並べて置かれているのです。
今回は根太のその固定している箇所が腐食によってネジが効かなくなり、はずれて落下してしまったのです。
その原因は、この根太の先端の上にあった外縁部の床板の腐食です。

外縁部の床板は常に雨ざらしで、その中央部分に水が溜まって次第に腐食してしまいます。

製材された木材(板目材)は「木表」か「木裏」によって、反る(そる)方向が変わります。
樹皮側を木表(きおもて)といって、乾燥時の収縮率が芯側の木裏(きうら)の2倍もあるため、収縮すると内側に縮み凹んできます。
そのため材の中央部分に雨が溜まりやすく、乾かないので中央部分から傷んできます。
ですのでウッドデッキなどのエクステリアでは木裏を上に出します。
しかし我が山小屋玄関北側のウッドデッキではどうだったんでしょうか。
見事に外縁部床板は中央部分が腐食して下に雨が染み込み、それが根太にまで達していました。
根太の幕板との接合部分は、本来は床板に覆われて雨からは防がれているはずだったのですが、染み込んだ雨がずっと乾かず、長期にわたって白色腐朽菌が侵食していったのでしょう。
中央部分から縦に真っ二つに割れてしまいました。

(後編に続く)

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