はははは、全くのど素人が、「図鑑」だなんちゃって、おお恥ずかしいです。
堂々公開しちゃいましたけど。
樹はむずかしけど楽しい
我が山小屋は林の中
清里の森・山小屋の周りは雑木林です。林住期ですからね。
北杜市はカラマツ、ミズナラが多いと言われています(と思った)。
我が山小屋も、来た当初はミズナラの巨木に囲まれていました。
庭の目の前の広い林は、カラマツとアカマツでした。
このあたりは落葉樹ばかりなので、冬に緑になっているのは赤松ぐらいです。
カラマツは針葉樹で唯一の落葉樹なのです。
小屋の庭には白樺もありますが、林の中で日光を求めて、皆空に向かって伸び上がっています。非常に背い高のっぽです。牧場に見られるようにこんもりと枝を広げてはいません。20m近くまで背伸びして頂上にチラチラっと葉を茂らせ、風に揺れています。
さて林住3年目を迎えて、大規模修繕も終わり余裕が出てくると、雑木林の木が気になってきました。「何の木だろう?」
何せ、桜と杉、松、イチョウ、白樺ぐらいしか知らない私です。ミズナラさえ、ここに来て、伐木作業をお願いして初めて知ったという有様です。
一応、1年目に、鳥と木のハンドブック図鑑は買ってありました。時々、それを眺めてはいました。
そして殊勝にも、我が庭の木々を(だいたい全部)調査してメモに書いていました。自分で勝手に「全木調査」と称していました。ただおおよその位置(場所)をメモしただけですが。林住1年5月(2020)でした。
全木調査、本格始動
2年目には全木調査の図から簡単なものから調べ始めました。
誰でもがわかるような特徴の樹は図鑑から調べやすいです。
最初は「ひと目で見分ける340種 日本の樹木ポケット図鑑」(増村征夫・新潮文庫)で調べ始めました。
これは花の色や果実、葉の形、木肌などから調べていくことができます。
頁をめくっていって一発で分かったのは、木肌がものすごくゴワゴワ、樹皮が鱗状で剥がれるヤエガワカンバです。
そして、秋に赤い小さな実をいっぱいつけたアオハダもわかりました。
そして森で一番早く紅葉するツタがツタウルシでした。
あとはあまり花が咲いた状態を見た記憶がないのでなかなか特定できません。忙しかったからですね。
そこで「葉で見わける樹木(林将之著・小学館)で葉っぱ調べです。
百日紅(サルスベリ)のようなツルッとした剥がれた木肌で房のように小さい白い花を下げているのはリョウブ。
丸っぽい割と大きな葉で葉先がフォークのように割れているのはダンコウバイ。
変わった特徴の木はすぐわかるので嬉しい。
この本では、葉の写真以外も木肌や果実の写真も豊富で、高いだけのことはあります(税抜1940円)。
そしてわかりやすい(と、最初は思った)モミジに手をつけました。ここ(「森」)はもみじが多く、紅葉の時期はそれは見事です。
特徴的な大きな天狗の団扇のような葉をもつ、我が庭正面のモミジです。これはしかも春一番に綺麗な赤い可愛いい花をつけて喜ばせてくれました。
これは間違いなくハウチワカエデです。もみじで一番大きな葉っぱだそうです。
しかし、その先が進みません。紅葉では有名なイロハモミジが我が庭にあるのかどうか、がはっきりしません。
2年目はここまでしか進めませんでした。
3年目の本気
さて、いよいよ3年目です。
晴れた日は庭に出て、上を見上げます。我が庭の高い木は最高が赤松で20mはありそうです。隣のミズナラと白樺で高さを競っています。2020年に切った、ほぼ同じ高さのミズナラは、年輪を数えたらほぼ70本あって、私とおない歳だ、とちょっと何とも言えない気持ちになりました(合掌)。
それ以外の木もほぼ同程度で15m〜20m級の高さで葉はみなてっぺんに付いているため、肉眼でははっきり見えません。手の届く範囲に枝や葉が無いのです。落ちている葉で調べるしかありません。
調査では図鑑で候補が絞られたら、それをネットで調べます。
こうして本を読んでいくうちに、ちょっとずつ関連知識も増えてきます。
本気度が上がります。
葉っぱを中心に調べていくうちに、葉の鋸歯(キョシ)の有無が識別に重要だとわかりました。鋸歯とは葉の縁(ふち)にあるノコギリの刃(歯)のようなギザギザのことです。広葉樹のほとんどはこの鋸歯があるかないかに2分されます。鋸歯の無いものは全縁(ゼンエン)と呼ばれます。
もう一つ分類のカテゴリーとして、葉の付き方です。枝に葉が左右交互に付いているのを互生(ごせい)といい、葉が左右対になって付いていれば対生(たいせい)と言います。これも広葉樹を2分しますが、互生の方がかなり多いです。
木の名前が推測できればそれからGoogle検索して、その木の多くの写真も見られるので、図鑑では確認できなかった木肌や花や実が庭のものと一致するかどうかで大体わかります。
木の様々な写真が豊富なのが「庭木図鑑 植木ペディア」(www.uekipedia.jp)です。
「庭木」とタイトルにありますが、山野の樹木も豊富に掲載されています。私はこのサイトが一番のお気に入りです。
こうしている内に、小屋の庭は高木(こうぼく)ばかりで、上の方が全く見えませんので
ついに、 12倍単眼鏡を購入しました。
《 Can×nさんの非道 》
ホントは、前からCanonの単眼鏡カメラ、Powerなんちゃら(望遠鏡で見ていて写真も撮れる)が欲しかったので、どうしようかと迷ったのですが、4万以上するので、もしダメだったら馬鹿らしいし、百均とは違うし、と思って貧乏人根性が出てしまい、結局お安いものにしちゃいました。
おっと、後日、アレはCanonのサイトではなく、Amazonでも売っていました。
ナント、や、安い、、、しかしよく見ると、なに、充電アダプター別売! 12000円!なにこれ、商売の常識やぶりですね、Ca××nさん。普通は充電器、付属品でしょう。
しかしAmazonのレビュアーたちってすごいっす! チョー好感度高い。辛口いいです。「役に立った」ボタン押しまくりましたね。この時はサクラは出て来ません。
えーっ、三脚穴無いの? 固定できないじゃない、 12倍でも揺れるので三脚に固定して見たいぞ。
なになに、光学ズームは3倍程度? 400mm望遠ってその程度だったっけ?(公式サイトでは4倍とありました)
画素数は、iPhoneと同程度、デジカメとしては少ない方です。ですのでデジタルズームだと、結構荒くなりそうです。
つい、こちらが仕様や商品説明をよく読まずにいて見落としていた点を指摘してくれます。
これが、購入して初めて気づいたのでしたら後悔したかもしれないのです。
公式サイトの、これもできます、あれもできます、こんなに良い点がたくさんあります、ばかり見て買ってはいけないのです。消費者はもっと賢くなりましょう。
ふー、買わなくて良かった。
購入したお安めの単眼鏡はそれなりにいいです。上空の葉っぱや花がはっきり見えます。もうしばらく使って、良かったら広告にアップします。
それにはスマホにくっ付けて撮影できるアダプターも付いているので、これから使ってみようと思います。上手く出来れば、アップの画像も掲載するつもりです。
ついに公開、徐々に追加
<お詫び>
現在、筆者のiCloudストレージが満杯で、iPhoneで撮った写真がiCloudに保存できず、編集がチョー不便なので、サイトへの画像掲載が遅れています。
Apple はしきりに、毎月400円へのアップグレードを薦めて来ますが断固拒否しています。
少しずつ掲載して参る所存ですので何卒ご了承願います。
<追記 2022/6/8>
ついに、iCloud空き容量5GB確保に成功、これでやっと写真が保存できて、iPhoneとiPad、Macとで共有でき、編集や、ブログへのアップロードもスムーズに出来る様になります。
毎月400円(200GB)のサブスクを支払わずに済みます(今は50GBで130円/月は払っていますが)。
図鑑No1 ハウチワカエデ
天狗の羽団扇のように大きな葉で、カエデ類の中でも最大の葉っぱです。9〜11裂に浅く切れ目が入ります。高さは12mほど、株立ち(根元から数本に分かれて伸びていること)しています。
花が見事です。まだ森全体が茶色に包まれている4月下旬、葉より先に花の蕾が赤く色づき膨らんできます。いい写真が無くて申し訳ありません。来年はしっかり撮ります。
図鑑No2 ヤマツツジ
清里の森で数少ない赤い花です(白い花が多いです)。
一面の新緑は見事なのですが、その中でちょっぴり赤が混じるととても素敵です。
赤も朱色、オレンジぽい赤など微妙に違います。たくさんの花が付いているとレンゲツツジと間違えてしまいますが、よく見ると、1本の枝先に付く花は2、3つだけです。また葉はやはり枝先に5枚が星形に付き、1枚ではふっくらした卵型である点でわかります。
我が庭でもウッドデッキ前に1本、駐車場入口に1本あるだけの貴重な赤い花です。
図鑑No3 キレンゲツツジ
図鑑No4 ヤエガワカンバ
我が山小屋庭園に勝手に生えている絶滅危惧種です。しかも3本も。
そんなに貴重なお方とはつゆ知らず、しかし、別にぞんざいに扱った訳でもありませんのでご安心ください。まあ樹皮がゴワゴワで無骨、図鑑には、「鱗片状に幾重にもはがれ落ちる」、「北海道〜本州中部以北の山地に分布」とあります(「ひと目で見分ける340種 日本の樹木ポケット図鑑」増村征夫 新潮文庫)。
なお、この木は、私の愛用の「葉で見わける樹木」(林将之 *下欄の広告参照下さい)には載っていません。471種とこちらの方が多いのになぜでしょうか、関西には生えていないから?
絶滅危惧種?
図鑑には載っていないため、ネットで調べた時に見つけたので、ホントなのか?と思って調べました。
ジャーン! 環境省・生物多様性センターのホームページに掲載されていました。
お堅い役所が、無理して柔らかいネーミングつけたサイトです。その名も「いきものログ」。うーん。
クリックしてもその先、どうするのか、よくわからないサイトでしたが、そこのページの抜粋を載せさせていただきました。
図鑑No5 ミズナラ
ミズナラは、我が庭では最もポピュラーな樹なので、あえて図鑑に載せようという気が起きずに、申し訳ないことをしました。今天候不順の中、カッパを着て庭を歩いていると、きれいな黄緑色の可愛いどんぐりをたくさん見つけました。
そうか、この上にはミズナラが実をつけているんだ、と思うと急に愛おしくなりました。
林住2年には庭の7本のミズナラの大木を切り倒してしまい、気の毒なことをしました。
しかし、その生命力や物凄いものがあり、切ったまま転がしていた太い幹のところどころから、なんと次から次へと新しい葉が出て枝が伸びてくるのです。根からは切断されているのにです。それもぐんぐん成長して数十センチまで伸びてしまいました。ミズナラという名は切った箇所から水が滴り落ちると言われるほど水分を多く含むためと言われています。根がなくても枝が伸びてくる生命力の強さの不思議を感じました。結局は私の薪づくりのため、枝ははらわれてチェーンソーで玉切りにされていくのですが。
また切り倒した切り株の部分からは、下から新しい枝がそれこそ10数本、株立ち状に伸びています。
さてこのように元気なミズナラは日本全国に見られますが、「雪が積もるような寒冷地にしか生えない」と私の愛用図鑑にはあります。まさに清里はピッタリです。
大きな波状で尖った鋸歯があり、葉先の部分の幅が最大になる形の葉と、果実(どんぐり)と縦に裂けて縞模様になる木肌を見れば簡単に特定できます。ただ、葉が高くて見えず、どんぐりも落ちていない状況では、樹皮だけでの特定は難しいです。
<2022/9/3 追加しました>
ナラ枯れの脅威 (2022年9月13日追記)
最近 TVのニュースで「ナラ枯れ」の言葉を耳にすることがありました。
山梨県でも令和元年10月に初めて峡南地域、富士・東部地域で被害が確認されました。
その後急速に南部から被害が拡大・北上しています。
コナラやミズナラ、マテバシイなどのブナ科の大木が1、2年で枯れてしまい倒木の危険も出てくると言う恐ろしい樹木の伝染病(のようなもの)です。元凶はカシノナガキクイムシと言う虫です。
まだ北杜市は被害はないようですがとても心配です。
もし被害にあった木(根元におが屑のような木の粉が溜まっていて、幹には2mmほどの穴が無数にあいている)を発見したらすぐに報告をお願いします、と県は言っています。
伐倒・駆除などの対策をして被害の拡大を防止するそうです。
また、ナラ枯れの被害にあった木の下には、恐ろしい真っ赤なカエンタケが生えていることが多いようです。猛毒ですので絶対に触ってはいけません。
以下に山梨県のHPから引用します(10月3日)。
山梨県HP・「山梨県における被害状況(PDF)」より
(追記 2024/9/21 カエンタケが我が庭に)
あな恐ろしや、一昨日、いつものように自然庭園(ナチュラルガーデン)の朝の巡回をしていると、なんとあの真っ赤なキノコが生えているではありませんか。
最近はやたら雨が多く、それでなくても湿気の多い我が庭には、もうキノコがいっぱい生えています。
昨年はこんなことはなかったと思うのだが。
食べられるキノコだったらもう毎日食べ放題なのですが、手は出しません。
だが4年前に切ったミズナラの株の根元に来て、びっくり発見しました。
赤いゴム手袋の指先のような、いやー〜な質感の毒キノコ。
そうなんです、あのナラ枯れの被害との関連を疑われる「カエンタケ」です。
上に記載の山梨県のHPにも載っています。
今まで、ネットでお姿は拝見していましたが、実際に見るのは初めてです。
うーん、これは大変かも、猛毒で触るのも危険なのでひとまず写真を撮ってから、中北林務環境事務所へお電話しました。
担当の方が出られて丁寧に話を聞いてくれました。
清里の森でカエンタケが報告されたのは初めてとのこと。
付近の状況を私から聞いて、「一応ナラ枯れの今のところ被害はなさそうで、あの『カシノナガキクイムシ』はまだいないと思われます、薪棚に見られる木屑は別のキクイムシかもしれませんね」とのことでした。
ホッと安心。
「ただ、カエンタケは猛毒ですので絶対に手で触らないように、スコップなどで慎重に取り除いてください、またその辺に埋めてはいけません」と教えていただきました。
ネットでは致死量は3g、触ると粘液などで手がかぶれ腫れる、触るだけで危険な唯一の毒キノコと書いてあります。
クワバラ、クワバラ。😱
(続いて ナラ枯れ状況の情報更新しました)
記事投稿より2年が経過していますので、最近の状況はどうなっているのか調べました。
天気がこのところ良くないので庭遊びができず、仕方なくブログですが。 m(_ _)m
以下に山梨県HPの「令和5年度 ナラ枯れ被害の状況について」(PDF)を載せています。
ついに被害は北杜市にまでやってきたようですが、山梨県全体の被害量は減少しているようです。
良かったですね、地道な対策が奏功しているのでしょう。
図鑑No6 ミヤマザクラ (深山桜) (追記 2023/5/25)
いやーここまで来るのに随分かかりました。
我が山小屋庭園にサクラと思しき高木(こうぼく)が数本あり、それも10m級の高さです。
ウッドデッキの真ん前にもシンボルツリー的に一本あるのですが、ついに昨年は葉が出ませんでした。
たぶん枯れてしまいました。直径は15cmほど、そこそこの年齢を感じさせていました。
桜(だと思う)なのに花を見たことがありません。
花見などできません。
森に来て1、2年は上の方に葉がちらほらとはあったと思うのですが。
まあ元気は無かったです。
心配してたら案の定、昨年でアウト。
そしたら根本から1mぐらい、幹の途中から枝が1本伸びてきて、なんとそれが今年葉をつけたのでした。
なんとありがたいことか。子どもができたような気分です、頑張ってね。
さて、その木より数m沢の方に離れたところにもう一本、兄弟桜と思われる、径が5cmほど、樹高5mほどの木があって、それがなんと白い花を付けているのです。
そう言えば去年も咲いていたような。
木のてっぺんで咲いていて、しかも葉の上で咲いているので下から見上げても見えません。もう無視していたかも。
今年は流石にこの我が庭のサクラの不思議を解き明かしたいと思いネットで調べました。
自分では、枯れ死した木と弟分の木は樹皮や葉から見て(バラ科サクラ属)であろう事はほぼ間違いはないと思っていましたが、桜の種類をネットで調べてもどうも該当するものが出ていません。
ソメイヨシノではないのは明白。ましてエドヒガンでもない。
地味な姿からはヤマザクラが一番近いと思ったが葉と花の開花の時期が違う。マメザクラにも近いが、大きさが全く違う。
ひょっとして、ウメやナシ、あるいはズミの仲間か? 花の色や大きさ、付き方はアズキナシに非常によく似ているが、樹皮が全く違う。
それが、ウー、なんとあの「清里図鑑」に載っていたのです。まさかのまさかでした。16頁。
「清里図鑑」の樹木の部掲載は42種、草花の部は70種で、最近は庭では下ばっか見ていてNHK TVの「らんまん」状態です。図鑑でも草花の部しか見ていません。気がつきませんでした。
→「清里図鑑」(正式名称は、清里の森20周年記念誌 清里の自然 八ヶ岳高原の樹木・草花・きのこ図鑑 平成18年7月 清里の森管理公社 刊)については、別の記事「清里の森・草本図鑑」でご紹介しています。
図鑑の記事がこちら。
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