冬のとっても大事な、平気ではない事を忘れていました
とても大事なことを書き忘れていました。申し訳ありません。
清里の森では、冬はまあ慣れれば平気ではありますが、雪もそれなりに楽しいし、白銀の世界はまことに美しいものです。
ただ、不便というか、めんどいというか、嫌なことがあります。冬には、です。
これもある意味、二地域居住であるが為に、嫌なことの回数が多くなります。しかし、ナント、コロナ様のお陰で、この2年は嫌なことは極力避けられたので、ある意味ではラッキーでした。
それは、「水抜き」です。それとセットの、水通しです。
冬の間は、小屋を空ける場合、必ず水抜きをしなければなりません。水道管の凍結防止のためです。
東京ではもちろんやったことはありません。
冬というのも清里の森では長いです。管理公社さんから、入居時のアドバイスとして、11月中旬から「4月中」(これは自分のメモにこのように書いてあったのですが、4月中旬と解するのか、4月じゅう、つまり4月いっぱい、と言う意味なのか、忘れてしまいました)は水抜きが必要ですと言われています。
当初考えていた二地域居住で、清里と東京を例えば1週間ずつ暮らすとすると、清里を出るときに水抜きが必要になります。清里に帰ってきた時に水通しをしなければなりません。月に2セット必要ですので、一冬で11月から4月までの5ヶ月半で11回の水抜きをしなければなりません。まだいいか?とか、もういいかな?という自己判断により生じる悲惨な結果を受け入れるのは後の祭りというのでしょうか?
清里の森にやって来て、建物の引渡しを受けた時には管理公社の方から水抜きについて、1時間くらい丁寧な説明と実地指導を受けました。
シンクの下に潜ってバルブやネジを回すので、非常に窮屈な姿勢を強いられるし、狭い箇所の奥の方に手を突っ込み、栓を指で回したり、床に寝て上向きで回すと、緩む方に回すつもりが締め付けてしまったりと、とにかく嫌です。
ドライバーやスパナ類などの工具は不要で素手で対処します。
軍手や革手袋だと小さい栓を回せないです。抜いた水を貯めるバケツは必要になります。水がこぼれてしまうこともあって、雑巾も用意しておきます。
排水が溜まる箇所には不凍液を入れますので、自動車の冷却水に入れるもの(ロングライフクーラント)と同じで構いませんので用意しておきます。
水抜きの箇所は1箇所ではありません。水の出るとこ全てです。
我が山小屋の場合、台所、洗面所、浴室、2Fトイレ、洗濯機の5箇所でしたが、昨年、1Fトイレを増設したので、もう1箇所増えて6箇所になってしまいました。屋外は、外水道は地中から垂直に一本伸びているだけですので、これは水抜き不要です。屋内だけの対応になります。
管理公社の方は、「11月中旬から4月中に家を留守にする場合は、(必ず?)水抜きを行ってください」とのことでした。
清里の冬は長い。自己責任とはまさにこのことを指しています。もしもですが、つい悪魔の囁きに耳を貸してしまい、「もう4月だしあったかいからいーか」と水抜きせずに家を空けて2、3日後、水道管破裂、家中水浸し、修理の工事費30万円という結果も全て自分が引き受けることになります。おーこわ! 森の先輩がたからも実際に起こったお話を何人からも伺いました。
- 水抜きは寒冷地では必須の作業です。
北海道では「水落とし」とも言うそうです。
清里は雪国ではありませんが、立派な寒冷地です。
清里では水道器具やトイレなどは寒冷地仕様のものを使用しています。
北杜市全部が寒冷地だというわけではありません。やはり標高によるところが大きいようです。
対策は
対策は、家をカラにしなければいいのです。さらに言えば、0度以下に下がる夜に誰かが家にいて、暖房をつけ、水道を使っていれば水道管の凍結は防げます。
なので、用事があって家を出ても、夜に帰ってくればOKです。
冬は東京へは極力日帰りで用事を済ますようにしています。
しかし寒さが厳しかったこの冬では、人が住んでいても明け方には室内が0度に下がったよ、というご近所の方がお二方おられました。
我が山小屋は、幸いログハウスなので、室内はそこまでは下がりません。5度くらいまでだったでしょうか。
もちろん前の晩の暖房の状況にもよります。薪ストーブを12時くらいまでガンガン焚いていれば、翌朝はまだほっかほかです。石油ストーブでケチって10時に消してしまえば、6度くらいまでは下がっています。
室内が0度まで下がったと言った先輩は、その日は「トイレの水がでない、台所の水がでない、洗濯機の水でない」と言ったトラブルに見舞われたそうです。
しかし、それもこの道のベテランですので、トイレは風呂の水を流してOK。キッチンは混合栓の「お湯」側のレバーをひねれば出るのでOKでした。
しかし、水道管破裂までいかなくて良かったです。
水抜き手順書 (清里の森バージョン)
管理公社の方から水抜きの手順を教えていただいた時にメモしたものは、その後1年ぐらいは、水抜きの際にそのメモを見ながらやっていました。
それをそのままブログに掲載するには、あまりにも下手な字が書き連ねてある汚いメモでしたので、今回これを機に、打ち直してみました。
八ヶ岳に二地域居住や移住された方は参考にしていただければと思います。
水抜きの仕組み
- 屋外水栓2箇所
(1)水道メーター部分
敷地境界付近に水道メーターが立っています。そのそばに小さなマンホール状の穴があって、その中に水道元栓があります。
ここは、北杜市の所有物との説明でした。水道管の本管から各家庭に引き込まれている元栓。これは通常我々は開閉する必要はないようです。
(2)水抜き栓
建物近くまで引き込まれた水道管(これは土の中で凍結深度と呼ばれる深さより深い部分に水道管は埋められているので凍結しません)が、地中から建物に接して立ち上がっています。
その下に止水栓がある。地表の蓋をパカっと開けて、中の止水栓バルブのハンドルを右回りに強く半回転ほど回すと水が止まります。必ずいっぱいまで回すこと。少しでも開いてると水が出っ放しになるらしい。
- 屋外ガス給湯器 これも水用とお湯用の2箇所栓を開けなければならず、しかもネジが硬くペンチが必要だったりと、チョー面倒だったのですが、2月に壊れてしまった。ラッキー!
- 今度は(プロパン)ガス給湯器はやめて、石油給湯器を設置したので、この新しい給湯器は電源を切らなければ自動で凍結防止のヒーターが作動して、水が循環するので水抜きは不要となった。とても嬉しい。
屋内の作業、これがメイン
- (0)まず、台所の水道蛇口を軽くひねって水を出しっぱなしにしておきます。
そして急いで外に出て、水抜き栓を右に回して止水します。
すると、家の中の水道管から水の抜ける音がします。開けてある蛇口から空気が水道管内に入って、水抜きが早まります。
しばらくザーッという音が続きやがて静かになります。これで、元栓から建物に来ている水はここで止められ、建物内の各蛇口からここまでの水道管内の水がほぼ全て抜け落ちることになります。
上記イラストの②③④の部分の水は排水部から下の地中に排水されることになるのです。
あとは、各蛇口周りに残っている少量の水を流すことになります。 - (1)台所
蛇口をいっぱいに開いて、まだ残っている水をちょろっと出します。
混合水栓ならば、レバーを水側に回して出して、次にお湯側に回して水を出す。そして中央に戻して水を出す。
次にカランの下にある水抜き栓を回して緩め、内部に溜まっている水をちょろっと出す。
次はシンクの排水口に溜まっている水に不凍液を注入します。コップ半杯分程度。 - (2)浴室
浴槽にお湯を溜める蛇口と水の蛇口がついています(引き渡し後に、風呂に追い焚き機能の追加工事をしました)。その両方の蛇口を開けて流します。
洗い場の混合水栓は、台所と同じで、温度調節を水側とお湯の高温側に回してそれぞれ流します。シャワー側も同様で、水とお湯の両方で流します。さらにシャワーホースに残っている水をホースを持ち上げて流す。
さらに混合栓の水とお湯にそれぞれ2箇所ずつある水抜き栓ネジを回して器具内部に残った水を流す。これが大変です。
最後に、排水口に不凍液を流し込みます。 - (3)洗面所
まずは蛇口から水を落とします。台所と同じように、水とお湯の両方で蛇口から流します。
朝シャン用にシャワーがついているので、浴室同様、これも水側、お湯側両方にセットして出します。そしてホースを伸ばして持ち上げ逆さにして中の水を出します。
最後に洗面台の下に潜ってパイプの下についている水抜き栓ネジを開けて緩めます。この潜る姿勢がキツいし、見えないネジを指先で回すのがつらい。
洗面台の排水口に不凍液を注入します(途中の排水トラップ内に水が残るため)。 - (4)洗濯機
洗濯機に給水している水道蛇口を全開にします。残っている水があれば、洗濯機内に流れます。そして水道蛇口から短い接続ホースを外し、ホースを持ち上げホース内の水を洗濯機に落とします。 - (5)トイレ(2F)
ウォシュレットなので手間がかかります。
貯まっている洗浄用温水をタンクの下についている水抜き栓ツマミを2箇所緩めて、下に置いた水受けバケツ内に落とします。これは相当の量(2〜3L)はあるので要注意です。全部抜けたら、貯まったバケツの水を便器内に流し、バケツを空にします。
そして水洗タンクのレバーを操作してタンク内の水を流します。1回の操作ではタンクにはまだ水は残るので、2、3回レバーを回して、タンク内の水を全て流し切ります。
最後に便器内に貯まっている水を出来るだけ外の受け皿に汲み出して、残った水量を最小限にします。そしてそこに不凍液を注ぎます。
これは便器のタイプ・形状によって、貯まる水量に多寡があるので、それに合わせた量の不凍液を入れます。大量に入れれば安心ですが、すぐに不凍液が無くなってしまいます。ケチると、もしかして凍結して便器破壊し、水浸しするかも、という不安。自己責任で適量を入れましょう。 - (6)1Fトイレ
さて、以上は2Fの古いトイレですが、1Fに昨年夏に増設したトイレがあります。
先日、初めてこの1Fトイレの水抜きに着手しました。
最初は、慣れているので簡単だろうとたかを括っていたら、どこを探しても温水洗浄タンクの水抜き栓が見当たらないです。慌てて取説を探して読むと、なんとドライバーを使って、暖房便座全体を便器から取り外さないと温水タンクの水抜き栓を開けることができない仕様です。これは、安いセット販売だったLIXILの便器と東芝のウォシュレット便座の組み合わせのせいではないかと反省しました。
そんなことをやっていたのでは、それだけで30分はかかってしまいます。トホホ。
そこで自己責任で考えました。電源を落とさず、運転スイッチもつけっぱなしにしておけば、洗浄水はずっとお湯のままなので凍結するわけはない。3ヶ月も留守にするわけではないので、電気代も大丈夫だろう。ようし、ここは水抜きしないぞ!と自分に説得しました。
一応帰ってきた時には、水浸しにはなっていませんでした、今回は。
以上で水抜き手順の解説を終わります。
通水(水出し)はこの逆手順です。
建物全ての蛇口と水抜きバルブ、つまみ、ゆるめたネジを締めてから、外の止水栓を開けて水を出します。
こちらも、水抜き同様、狭い洗面台下に潜ったりで大変ですが、作業は水抜きよりは短時間で終わります。10分〜15分でしょう。
ただ、前回清里に戻った時に、2Fトイレで私はネジの閉め方が甘く、目一杯締めてなかったため、洗浄温水タンクから少しずつ水が漏れて来て、しばらくしてトイレの床が水浸しになってしまいました(トホホ)。
いつでも気が抜けません。
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