新たな樹木図鑑第二部(低木の部)のお届けです
発刊の辞 (2022/6)
我が山小屋庭園の見上げるような高木(こうぼく)から、視線を下に落とすと、まだ幼い木の葉が目に止まります。葉を手に取って調べることができます。
庭の隅の方には、ひっそりと落葉低木もあります。
おう、これは良い。そう思ってあらためて周りを見渡すと、中には面白い形の葉も見られます。
○◯とばかり思っていた葉が、よく見るとおや、ちょっと違うぞ、という事にもなりました。
やはり自分と同じ目線で見られるって素晴らしいです。
このほうが圧倒的に調べ易いし、モラルアップもします。
そこでついに第二部 低木の部の発行となりました。
(しかし、第一部にも落葉低木のツツジが2本もお邪魔しており恐縮です)
(どうも第一部がなかなか進まず、これも申し訳ありません。何せ高木は調べにくい)
低木の部
ダンコウバイ
これは、特徴ある葉なので林住2年で、我が全木調査で発見・同定された木となります。
我が庭には、樹高60cmと30cmの若い木だけですが、隣家には3m近い立派な木があります。
こんな形の葉っぱは他にありません。とてもカワイイです。先割れスプーンのような感じです。
黄色い花もかわいいらしいのですが、まだ見れません。
(追記) やっと花が咲きました! (2023/4)
いかがですか、ホントかわいい花です。
まだ木が若いのでたった1輪(いや、2輪か)だけです。
お隣さんの3mの大きな木にはたくさん咲かせていました。
「檀香梅」とは良い香りのする梅に似た花の木という意味らしいです。クスノキ科
(追記 2024/4/15 今年はたくさん花がつきました)
今の時期に咲いてくれる<木本類>はダンコウバイしかありません。
小さくて、ふきのとうにも負けそうですが、いいですね。
今年もiPhoneでの撮影にはがっくりきました。
まともな写真が撮れず申し訳ありません。
クロモジ (2023/4 新規掲載)
クスノキ科クロモジ属でこの辺ではよく見かける木です。我が山小屋の庭にもたくさんあります。
樹高2mくらい。
樹皮に芳香があり、お茶席の和菓子に添えられる高級爪楊枝の材になります。
その爪楊枝のことも「黒文字」と呼ばれています。
もちろんクロモジも秋には黄色く紅葉しますが、冬場は茶色く枯れた葉は異様に頑張って落ちない、落ち葉にならず、ずーっと春まで木にしがみつき、ぶら下がっているのです。
周りが落葉した木ばかりなので、そのうちに庭で茶色の枯葉が残っている木はクロモジだけという現象になります。ただ全ての葉が落ちている木もあるのです。
ネットで調べてみると、雌雄異株。
そうか、オスとメスで頑張り方が違うのかもしれない。ネットでもそこまで書いてあるものはありません。
雄花と雌花は見た目では違いがわからないので、秋になって実が成るまで待つことにしよう。
さて、今の時期は花なんです。
地味ですが、ダンコウバイとよく似た黄色い球状の小さな花をたくさん咲かせます。
調べてみると、なんとダンコウバイはクスノキ科クロモジ属、二つは全くおんなじなんですね。
葉っぱは全く違いますが花はそっくりです。
さらに調べました。
素晴らしいサイトがありました。筆者の仮説をネットの「樹木図鑑(www.jugemusha.com)」で確認したかったのです。
こちらには詳細な情報と画像が掲載されていて、雌雄の花の写真までありました。
そうです、それによると、枯れ葉の残っている方の花は、どうやら雄花のようです。
雄しべが9本あるとのことですがそこまでは分かりませんが。
庭の別の木で葉は全て落ちている丸裸の木に咲き始めた花は、雌花みたいです。
なんとなく中心に雌しべがあるような、、、
何せ老眼で、虫眼鏡で拡大してなんとか見てますので確信はありませんが、一応これでそれぞれの木に仮標識を付けておき、秋にどちらに実がなるか、調べることにします。
読者の方にも、雄花雌花の写真をお見せしたかったのですが、撮影困難につき諦めました。m(_ _)m
お詫びに、先にご紹介した樹木図鑑へのリンクを貼っておきますので、雄花、雌花をぜひ見てください。
マメザクラ(豆桜) (2023/4 新規掲載)
別名 フジザクラともいい、富士山・箱根を中心に八ヶ岳などフォッサマグナ地帯に多いとされる。
山梨県の花に指定され、2019年に発足したなでしこリーグの女子サッカーチームも「FCふじざくら山梨」(本拠地・鳴沢村)と命名されています。まだ2部リーグですが、お兄さんのヴァンフォーレのように奇跡を起こしてください。
バラ科サクラ属の落葉小高木。大きくなっても10mほどという。
我が山小屋には、この道路脇にある3mほどの木の他にまだ若い50cmほどの木が2本あり、2、3輪の蕾がついています。これもかわいい。
一般のサクラよりも耐寒性があり、マイナス20度にも耐えると言われます。八ヶ岳にぴったりかも。
タラノキ
この木も特徴ある直立、棘、春の天ぷら・山菜の王者タラノメの木ということで、我が庭園には貴重な2本です。
栗の木沢上流には、タラノメ畑とも言われる大群落があります。しかし、中には、芽をカッターやハサミで切り取るという極悪非道の輩がいます。そんなことをすると翌年芽がつきません。若葉の根元を優しく指でポキっと摘み取ればまたすぐ出てきますよ。我が家のは1mほどですが、ご近所には3mほどの大きなものが4、5本立っています。
ツノハシバミ
今年度の収穫です。庭の隅っこで発見。葉の真ん中に赤紫色の模様があってびっくりしました。とても目立ちます。高さ50cmと30cmの2本、別々の場所で生えていました。秋にツノのような形の実がなるようですが、まだ小さいので花は無理かな。
あと、まだ調査中ではっきりとはしないのですが、次の写真ももしかしたら、ツノハシバミなのでしょうか。だいぶ大きくなった木です。赤紫色の模様は全くないのですが、葉の形は似ています。
ウグイスカグラ (鶯神楽)
これも今年度、偶然春にかわいい花を発見。薄紅色の小さなラッパのような花の形から調べられました。樹高50cmほど。
《 NO IMAGE 》 申し訳ありません。見つけた時にiPhoneで撮ったはずなんですが、どう探しても見つかりません。もうボケたか? 無ければかわいい花の写真は来春までお預けです。m(_ _)m
(追記 2023/4/18 ついに花の写真をお見せできます)
落葉低木、葉は不分裂葉で対生、全縁。大きくても1mから2mまで。
初夏には赤い甘い実がなるというが、残念、記憶にない。今年は注意して見ていく。
まさにウグイスが盛んに鳴き始めている今、その名にふさわしい花でした。
サラサドウダン
我が山小屋駐車場入口の横に2本、3mほどのよく繁った木があります。
先日、何気で上を見上げると、なんと白いけどピンク掛かった釣鐘のような花がたわわにぶら下がっているではありませんか。
ツツジ科のサラサドウダンでありました。
東京の自宅には、同じ仲間のドウダンツツジがあるのですが、葉の大きさや樹形がまるで違うので、この日まで全く気付きませんでした。
去年までは忙しくて余裕がなく、木をじっくり見たことがなかったのです。花の位置も私の背よりも高いので、去年咲いていたのも気付かずに済まないことをしました。
隣のもう一本の木はさらに高く、花の色も濃く赤紫色っぽいです。
さらに発見、家の裏(北側)に地味に伸びている木の枝を2階の階段の窓から見ていたら、あれまあ、枝の先っぽに、サラサドウダンの花が付いているではありませんか。ちょっと距離がありましたが、間違いなくあの花でした。樹高5m以上ですよ。落葉低木のはずですが、人知れず頑張っていたのですね。
ノイバラ
梅雨の嫌な季節にけなげに白い花を咲かせてくれていました。気づかずにごめんなさい。日本の野生のバラ(野バラ)の代表とも言われます。
バラ科バラ属のつる性の低木。葉は羽状複葉という、3対の小葉と先頭に1枚の、合計7枚と奇数枚数になります。樹高1m。花は白い一重咲きの5弁です。
シューベルトとウェルナーの曲で有名な、ゲーテの歌「野ばら」。この野に咲くばらはゲーテは「赤いばら」と言っています。
モミジイチゴ、ニガイチゴ、ヘビイチゴ
えっ、イチゴって木じゃないよね。そうです、普通のイチゴは草の仲間です。と、これは一旦置いておいて。
モミジイチゴはその名の通り、葉がモミジのように何箇所かに切れ込みが入っている分裂葉をもつ木苺です。私が小学校の頃、よく遠足やハイキングで奥多摩の野山を歩いていると、道端で赤い実のこの木苺に出会いました。しかし当時、へび苺、毒苺だとも言われ、食べていいのかどうか、ごっちゃになって良くわかりませんでした。でも食べましたけど。
今だから分かります。
モミジイチゴ、ニガイチゴはバラ科キイチゴ属の低木、果実は美味です。生でも食べられます。
ヘビイチゴ(蛇苺)は草です
ヘビイチゴもバラ科ですが、草本(ソウホン)つまり草です。バラ科キジムシロ属の多年草です。
草ですので、草丈も5cm〜10cmと低く、黄色い1.5cmほどの5弁の小さな花をつけます。
葉は3枚(に見える)でやや丸みを帯び幅広です。
モミジイチゴのような切れ込み(分裂葉)はありません。
果実はまずく食べられませんが、毒ではないです。ドクイチゴと言う名の植物はありません。
皆同じバラ科ですが、木本(モクホン)と草本の違いがあります。
ボーッと生きていてはいけません。
普通の私たちがお家で食べている苺(とちおとめ、あまおうなど)はバラ科の草本です。
ここでうんちく。生物学では正式な呼び方(?)では、木(樹木)を「木本(モクホン)」と呼び、草を「草本(ソウホン)」と呼ぶのです。
さて、その草と木の違いは何?
チコちゃんに叱られますよ、ネットで見る限り、木は年々、幹が太り、大きくなっていきますが、草は、1年から3年ほどで、成長は止まって枯れるもの、ぐらいの理解で良さそうです。
割とその境は曖昧で、竹やバナナ、サボテンなどが???らしいです。
そのバラ科の植物ですが、山小屋庭園にはもう一つの不思議が発見されました。
ナガバモミジイチゴです(と思います)。5月よりいろいろな場所から盛んに葉が出てきています。それも土の上に生えて来ています。まさに草です。私の師匠とも言える樹木図鑑によると、「西日本では3裂して中央の裂片(れっぺん)が長い葉が多く、ナガバモミジイチゴとも呼ばれる」とありました。葉の形はまさにその通りですが、私には木ではないと思われるのです。
山梨は関東ではありませんが、西日本?
そこでもう図鑑ではそこから先は無理なので、ネットにお願いしました。
やはり、見つけたいくつかのサイトでも、「ナガバモミジイチゴ 樹高2mの落葉低木」とあります。
その際に素晴らしいサイトに巡り合いました。
どうも私の愛用図鑑の著者の方と懇意な方(らしいのです)が長年調べてきた植物のサイトで、230種の樹木が掲載されています。ちょっとサイト名がローカルっぽいので、内容は素晴らしいのに訪問者があまり多くはありません。開設して10年以上は経つのに、私がお邪魔した時点で、カウンターは256911でした。
調べた結果の文や写真は、無断転載禁止とありましたので、リンクを貼りますのでぜひご覧ください。
→「木々@岸和田」
それによりますと、ナガバモミジイチゴはどうも根が地下で横に伸びるらしく、あちこちに新株を出すとありました。
それで我が庭にいっぱい顔を出しているのだと思います。しかし去年のは残っていないのか、それが不思議です。周囲を見渡しても、何年も経って大きくなったナガバモミジイチゴのような木は見当たりません。あんな格好の葉っぱの木があれば見つからないわけがありません。全くナゾです。
ツリバナ
ニシキギ科の落葉低木。樹高3m。
ひっそり、地味な木です。花も葉も地味。
しかし、赤い実は頑張っている。
花が吊り下がっているためか実も吊り下がっています。
春に花が咲いている状態を発見したのですが、その写真がどこかへ行方不明です。
今もう葉もだいぶ黄色くなり落ちています。まだ残っていた青い葉と実を撮ろうとしましたが暗すぎたのでしょうか。
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