清里の森に来てから、私は園芸、ガーデニングなどはやったことがありません。
庭は放ったらかし、草木は生えるがままにしてあります。
ナチュラルガーデンと自称しています。
夏に皆様が苦労される草取りもほとんどしたことがありません。
夏にはそこかしこから聞こえてくる、ブーンという、あの刈り払い機のエンジンの音とも無縁です。
我が家には刈り払い機がありません。
東京から持ってきた黄色い錆びた小さなスコップがあるだけです。
ご近所の先輩方には(特に奥方様は)とても綺麗なお庭に素敵な花をたくさん咲かせておられる方もいらっしゃいます。
ただ、こちらのような寒冷地では東京のようにはいかず、さまざまな苦労がお有りのようです。
さらに最大の鬼門は鹿です。
ガーデニング、できるのか?
鹿ちゃん問題
鹿の食害を如何に防ぐか、みなさん頭を悩ませていらっしゃいます。
柵を立てたり、ロープを張ったり、網を被せたり、狼のオシッコをぶら下げたりと大変です。
私の海の口自然郷の友人は、自分で電気柵を設置しています(業者に頼むとえらい高いという、50万?)。
私は、鹿対策はせずに、鹿さん、WELCOMEです、どうぞいらしてください、可愛いお姿を拝見したいです、というスタンスですから、ちょっとご近所の先輩と対立する場合も生じます。
「あんたがそんなんだから、鹿が調子に乗って俺たちんとこに来んだよ、なー」
近隣の先輩方の多くは、鹿ちゃんの姿を見ると、両手の拳を上げて、「コラーッ」と大声で脅し(高齢の女性の方でも)、鹿に向かって走って行き追い払うと言います。
私も時折りそんな光景を目にしています。
「おー、かわいそうに。そんな怒んなくたっていいのに。」
と言っては隣人に怒られています。
相手の鹿ちゃんとは目を合わせたぐらいでは向こう様は驚きもせずにじっと見返してにらめっこ状態となるそうです。
鹿ちゃん対策は
花を育てられている皆さんは様々な工夫をされています。
まずは柵を立てる、ネットを張るで庭に鹿が入れないようにする。
これが結構大変。鹿との知恵比べ。一所懸命作っても、どこからか潜って侵入。
あるいは体当たりで柵を倒してしまう。
あるいは映画の「子鹿物語」のようにジャンプして飛び越えてしまう。
鹿が嫌いと言われる狼のオシッコ(WolfPee)をぶら下げている方もおられます。
本物かな?誰のオシッコか?販売業者の信頼度が重要ですね。
なお、このオオカミ尿はイノシシ対策には全く効果がないという、実験研究結果が報告されています
(国立農研機構・近畿中国四国農業研究センター、2012年)。
友人の一人は電気柵を自作しています。
業者に頼めば50万はすると言われ、必要な部材をネットで購入して、自分で設置したとのこと。
効果はあるとのことです。
1.5秒間隔のパルス出力電流ですので、ワイヤーに触れても、1/10000秒間流れるだけですので安全です。
動物が感電死するのではなく、電気ショックで驚き以後警戒して触らないようになるのです。
私も友人に勧められて触ってみました。ビリッと来て慌てて手を引っ込めましたが、害はありません。
銭湯の電気風呂みたいな感覚が局所的に来た感じ。
ただこれも注意しなければいけないのは、決められた用法やルールを守り自分勝手な改造はしないこと。
これを守らないと非常に危険です(電気用品安全法に準拠していなければなりません)。
数年前に、田舎に遊びに来た孫が、おじいちゃんが自作して設置していた電気柵に触れて感電死した痛ましい事故がありました。
正規の部材からではなく、自宅の電気を直接ワイヤーに流していたようです。非常に危険です。
普段は作物の動物よけに夜だけ電気を流していたのが、その日はスイッチを切り忘れたのだと。
悲劇です。
さてさて我が庭には、鹿さんが食べられるようなものが無いのです。なかなか来てくれません。
冬に前の栗の木沢には群れで移動している姿は見たことがありますが。
雪の日は彼らの足跡をトレースすると行動パターンがよくわかります。
沢の狭くなっている箇所から森の向こう岸より渡ってきて、お隣さんの庭を横切り森の道路を上って行くのです。
我が山小屋(の庭)へはまず来ません。
上の方にはきっと美味しいものがあるのでしょう。
と言うわけで、ガーデニングに際して我が山小屋では鹿の問題は(今のところ)ないのですが、やはり問題は別のところにありました。
では徐々に明らかになって来た問題とは。
実は、始まりは今年2023年4月
我がガーデンに咲く花といえば早春の水仙だけです(これは鹿は食べません)。
これは前オーナーの奥様が、お隣のお嬢さんのアドバイスで駐車場横のスペースに何株か植えられていたものです。
雪が溶けてようやく寒さが緩んできた頃にちょこんと芽を出して喜ばせてくれます。
それからはちょこちょこと去年と同じ場所に顔を出して成長が楽しみになります。
蕾を見せてくれると次第に膨らみ、いつ花開くのかヤキモキさせてくれます。
そうだ、水仙なら寒さに強く、この清里でも育つんだ(鹿も食わないし)、もう少し数を増やしたいと思いました。
ネットで調べると時期は植える時期は11月だそうだ。
なんとなくクリーピングタイム
それまで待つか? と思ってついでにいろいろググってみると、ついつい余計なものまで見続けてしまい、しまいにはなぜかクリーピングタイムの苗をポチってしまいました。
(タイムはシソ科のハーブです。肉料理にも風味付けに使われるそうですが、クリーピングタイムは高さが10cm以下で匍匐(ほふく)性で立ち上がらずに這うように伸びていくそうです。)
なぜクリーピングタイムかって?
植える場所は、2年かけて(多少)平にしたRSG(リバーサイドガーデン)。
我がキャンプ場の中央広場です。
ここは、はいってはいけない花壇ではありません。
公園の芝生のような息抜きのできるスペースにしたかったのです。
まだ盛土状態で見栄えは良くありません。
そこで草丈の低い、地面を這うように育つ(と言われている)クリーピングタイムにしたのです。
うまく育てば広場のグランドカバーになるかな。
あわよくば数ヶ月後に可愛い花が咲く、と言われているのでそれも期待しました。
多分失敗(挫折)する確率は高いと思うので、苗は2箱だけにしました。
1箱30株とAmazonでは書いてありましたが、実際には50株以上ありました。
(いくらだったか忘れたけど多分1箱5000円ぐらいだったか?)
説明書には、生ものですので輸送中に傷んでしまうものも出てくるので多めにお送りしています、と書いてありました。
うーん、さすが日本製、良心的です、商人の鑑です。中華ではこうはいかない。
しかし、なかなか・・・
2ヶ月経っても
しっかり水遣りもしていましたが、苗の状態は枯れはしませんが成長もしません。
土は弱アルカリがいいと言うので、苦土石灰も混ぜてあります。
這うように伸びていません。もちろん花も咲きません。
ちなみに、この広場の高くなった法面(のりめん)には、やけで、クリーピングタイムの「種」を蒔いててみました(苗ではありません、チョーお安いので)。
1袋(300円しなかった)900粒全部蒔いたのですが、うんともすんとも言いません。
4ヶ月経っても
まったく育ってくれません。匍匐して伸びてきていません。株が小さくなり、消滅寸前です。
花どころではないです。一番手前の株はまだ緑が残っていますが、他は見る影もありません。
4列で植えましたがそれもわからなくなった状態です、、トホホ。
4月の植え込み時の画像と同じ方向からの撮影です。
今頃は、緑が広がり繁ってきて絨毯状態かな、って想像してましたが、叶わぬ夢と終わってしまいました。残念なり。
ガーデニングは、、、出来なかった
何故失敗したのか?
私が思うに、やはり日当たりでしょう。
庭の最大のミズナラは半移住してきた時に20m級を5本ほど切って、庭の空に穴を開けましたが、まだ紅葉たちや、栗の木沢の木々が高く日中の日差しを遮っています。
夏、木々の葉が繁ってからの庭の日照は上の画像(5/30)のように所々に木洩れ陽が当たる程度です。
非常に涼しく快適ですが、背丈の低い植物には物足りないでしょう。
雑草(失礼!名前を知らない草たち)も生えてきません。
対策はありません。
もう木を切るつもりはありません。
森の中にも広い芝生のお庭で空がいっぱいに広がっているお宅も見かけますが、「広々として明るく日差しがいっぱい、うらやましい。でも25%の制限はどうしたのかなぁ???」なんて思ってます。
多分、木がないと暑いはずです。
我が小屋の庭は木がいっぱいで涼しい、と酸っぱいブドウのキツネさん状態で我慢してます。
当分ガーデニングからは解放されましたので、精神的にも気楽になりました。
また、ほったらかしガーデン、ナチュラルガーデンで行こうと思います。
(了)
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